
健康経営
会社案内
健康経営
Health Management
ANA福岡空港における健康経営
健康経営を推進する背景・目的・方針
ANAグループは2016年4月に「ANAグループ健康宣言」を宣言し、会社と社員が一体となって、全ての従業員が心身ともに健康で、いきいきと仕事ができる職場づくりを目指し、健康第一の企業風土を醸成してきました。ANA福岡空港においても「社員の安全と健康の確保、快適な職場環境づくりは企業活動の基礎である」という考えにもとづき、従業員の健康増進にむけた取り組みを強化し、企業価値の向上を目指します。
ANA福岡空港 健康経営宣言書
ANA福岡空港では、元気に活躍する社員の笑顔でお客様も笑顔にしたいと考えています。社員が心身ともに健康で、仲間とともに最高のパフォーマンスを発揮することが、お客様の「安心」と「信頼」へ繋がっていきます。
ANA福岡空港では「ANAグループ健康経営宣言」に則り、健康経営においても「福岡らしさ4ヵ条」を体現し、社員と会社が一緒になって健康経営の推進へ更なる一歩を踏み出し、しっかりと健康課題に向き合い、大切な仲間とともに本気(マジ)で企業価値の向上と長く健康で働くことのできる環境整備に向け、取り組んでいくことを宣言します。
ANA福岡空港株式会社
代表取締役社長 光安 浩
健康経営戦略マップ
解決したい経営上の課題に対して、健康経営の実施により期待する効果や具体的な取り組みのつながりを整理、 把握し、健康経営を推進しています。
推進体制
社員・健康保険組合・会社が三位一体となって実戦していくことに加え、ANA グループ健康経営の最高責任者であるCWO(Chief Wellness Officer)の指揮の下、個社WL(Wellness Leader)を選出し、社員の健康にかかわる状況を正確に把握した上で、各種健康増進施策を進めていきます。
国際航空運送協会(IATA)によって定められた
空港コードであり、FUK=福岡を指します。
FUKAP=ANA福岡空港株式会社の略です。
重点課題への取り組み
健康経営推進のため、以下4項目を重点的に取り組みPDCAを循環させています。
健康管理の取り組み
疾病予防にかかわる取り組み
メンタルヘルスにかかわる取り組み
安全衛生活動にかかわる取り組み
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健康管理の
取り組み「福岡グループ健康管理室」では、定期健康診断の結果を受けて、ANAグループで共通化された診断項目・判定基準・システムにより、産業医および保健師が一人ひとりの健康を適切にサポートしています。
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定期健康診断受診率100%
2020年度以降100%達成
健診後の精密検査介入率100%(ハイリスク者への施策) -
事後措置面談対応率(産業医面談)100%
2021年度以降100%達成
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特定保健指導実施率の向上
2021年度以降ハイリスク者介入率100%達成
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疾病予防
にかかわる
取り組み健康で長く働くために病気を「予防」することは非常に重要と考え、以下の取り組みを行っています。
生活習慣病予防
産業医等社内専門職による研修・セミナー(参加者満足度 100%)
社外講師による研修・セミナー
健康増進アプリの導入
(健康診断の結果やウォーキングイベント「歩Fes(あるフェス)」を通じ、健康保持、増進に取り組んでいます。)
がん予防、女性特有の疾病対策
健康保険組合と連携した人間ドック、がん検診の費用補助
女性特有の疾病に関するセミナー
不妊治療のための休暇制度
高年齢従業員の健康対策
60歳以上の従業員に対して、「バランスチェック」と「健康セミナー」を実施しています。
禁煙への取り組み
卒煙窓口の設置
禁煙支援プログラム実施
健康保険組合と連携した禁煙外来サポート、費用補助
禁煙・禁煙継続を促す社内イベントの実施(就業時間内禁煙)
健康増進イベント
「ベジチェック」 ※ベジチェック参加者(2023年度210名)
「血管年齢測定」 ※血管年齢測定参加者(2023年度164名)
「肺年齢測定」 ※肺年齢測定参加者(2023年度134名)
▲健康増進アプリ
▲ウォーキングイベント参加者推移
▲高年年齢者バランスチェックの様子
▲ベジチェック・血管年齢測定の様子
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メンタルヘルス
にかかわる
取り組みANAグループのメンタルヘルスアドバイザー(精神科医師)や産業医によるセミナーを開催し、メンタルヘルスの正しい知識を学んでいます。「こころの健康づくり」に継続して取り組んでいきます。
ストレスチェックの実施と分析
産業医・保健師による高ストレス者の面談対応
外部機関によるメンタルヘルス・カウンセリング窓口(健康保険組合)
ANAグループメンタルヘルスアドバイザーによるセミナー開催
セミナーや研修の実施
従業員満足度調査(ANA's Way Survey) 2023年度回答率 94.9%
▲入社半年研修におけるメンタルヘルスセミナー
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安全衛生
活動にかかわる
取り組み安全衛生委員会を毎月開催し、職場の「安全」と「衛生」を維持しています。
安全衛生委員会での労働災害防止のための職場環境改善、熱中症対策など季節に応じた対策(2023年度における熱中症発生件数「0」目標を達成)
労働災害分析、リスクアセスメントによるリスク特定・低減、未然防止施策
産業医、産業保健スタッフによる職場巡視
衛生管理者資格取得の支援
保健師による「健康だより」も毎月発行
ANAグループ体操の推進
▲ANAグループ体操の様子
▲福岡グループ健管だより
労働安全衛生に関する指標
別添資料2参照: 年間労働災害発生件数・安全衛生委員会回数 別添資料3参照: 年間労働災害発生件数の推移グラフ労働安全や従業員のヘルスリテラシー向上のための社員教育・イベントの実施
別添資料4参照: 労働安全や従業員のヘルスリテラシー向上のための社員教育・イベントの実施取り組みの結果
「ANAグループ健康経営」の推進に向けて、課題から指標を設定し、その指標向上に向けて、PDCAサイクルを循環させています。また取り組みの経営に対する影響の分析を行うべく、健康関連コストとして、アブセンティーズム(※1)・プレゼンティーズム(※2)のデータを分析しています。
※1 アブセンティーズム: 個人が体調不調やメンタルヘルス不調などを抱え、欠勤や休職、遅刻、早退をしてしまう状態
※2 プレゼンティーズム: 出勤していながらも、体調不良やメンタルヘルス不調などが原因で、従業員のパフォーマンスが低下している状態
従業員の健康課題
従業員の健康状態の変化
健康状態による損失・影響
結果1. 従業員の健康課題
生活習慣病の有無について
生活習慣病の割合は男女ともに50代から急激に増加しています。
生活習慣病が悪化すると合併症を招くこともあることから、悪化してからではなく、将来を見据えて早めに生活習慣を改めていくことを啓発しています。
BMIの分布
男女ともに7割は標準体重でした。
男性の3割が肥満で年齢が上がると高くなる傾向にある一方で、女性は2割が低体重でした。低体重は腰痛などに悪いだけではなく、貧血(疲れやすい・だるい)、妊娠・出産時のリスクを巻き起こす可能性もあることから、肥満と同様に適正体重とすべく取り組んでいくことが重要ということが確認できます。
喫煙率について
男女、特に若年層の喫煙率の上昇が見られます。今年度より就業時間内における喫煙の禁止を就業規則に定め、また、入社説明時にも禁煙を推奨し、若年層を含めた卒煙の後押しを実施しています。
男性の喫煙率は全国平均25%を上回っていますが、様々な施策効果もあり男性の喫煙率は年々減少傾向にあります。
以上のことから、「BMI」、「喫煙率」、「メタボリックシンドローム」にかかわる指標を設定するとともに、メンタルヘルス関連の健康状態の改善を目指しています。ストレスチェックより「身体愁訴」の数を基にした指標を設定し、これら4点を健康管理指標として定めました。
健康管理指標
BMI適正者比率: 18.5 ≦ BMI < 25の人の割合(BMI = 体重kg ÷ (身長m)2)
喫煙率: 喫煙者の割合
メタボリックシンドローム該当率: 40歳以上のメタボリックシンドローム診断が基準該当の人の割合
身体愁訴該当率: 身体愁訴が3つ以上の人の割合
身体愁訴 = 身体にあらわれている不調な症状(例)腰が痛い、目が疲れる、胃腸の具合が悪い等
結果2. 従業員の健康状態の変化
コロナ後の航空需要回復による生産量の増加に伴い、身体愁訴率が上昇傾向にあります。その他の項目についても、健康経営における各施策の推進を実施していきます。
別添資料6参照: BMI適正者比率、喫煙率、メタボリックシンドローム該当率、身体愁訴該当率、アブセンティーズム、プレゼンティーズム、ワークエンゲージメント、傷病による休業者数の推移表結果3. 健康状態による損失・影響
定期的に従業員へのアンケートを実施し、アブセンティーイズム・プレゼンティーイズム・ワークエンゲージメントを数値化し、その経過を確認しています。プレゼンティーズムやアブセンティーズムの改善するために日常的に健康相談が出来る社内相談窓口の設置、従業員満足度調査(ANA‘s Way Survey)、高ストレス者への面談機会の設定、産業医・保健師によるセミナーを実施し、ヘルスリテラシーを高めています。
ANA福岡空港(株)の健康関連コストのほとんどは、プレゼンティーズムによる損失(従業員の生産性低下)となっています。
別添資料7参照: 健康投資施策の取組状況 別添資料8参照: 健康関連コスト内訳定期健康診断を社員の健康状態を把握する重要な機会として100%の受診率を維持しています。ストレスチェックでは、メンタル不調の未然防止と職場環境の改善につなげるため積極的に受検推奨を行っています。また、業務のカイゼン活動の推進や働き方の変化等により時間外労働時間が低減しています。有給休暇の取得率向上を含め、今後もより働きやすい環境づくりに努めます。
外部からの評価
ANAグループでは、社員が心身共に健康で安全、あんしんに働くことができるよう「健康経営」を推進してまいりました。
2024年2月には「ANAグループ健康白書」も発行し、健康経営に関する情報を集約して発信しています。
これからも、地道に取り組みを重ね、各施策の情報などを積極的に開示、発信してまいります。
社員・健康保険組合・会社が一体となっての取り組み
- 健康管理の強化
- 疾病予防やメンタルヘルス対策の強化
- 安全衛生活動の強化
- 従業員の健康維持・増進
- テレワークの促進、働き方改革 等
表彰・認定 | ロゴ | 実施主体 | 備考 |
---|---|---|---|
健康経営優良法人 | ![]() | 日本健康会議 | 4年連続で「健康経営優良法人2025」に認定されました。今後も健康管理指標の達成に向け取り組みを強化し、健康経営の推進を通じて持続的な成長を実現します。 |
スポーツエールカンパニー | ![]() | スポーツ庁 | 健康経営に関する取組として、運動習慣の推進を行い、従業員の健康促進につながる取組を進めています。 |
Work with Pride Gold 2024 | ![]() | 一般社団法人 workwithPride | 2016年に策定した日本で初めてとなる、LGBTQ+に関する企業・団体等の取り組みの評価指標です。LGBTQ+が誇りを持って働ける職場の実現を目指し、名称を「PRIDE 指標」 |
別添資料
別添資料1: ストレスチェック受検率と高ストレス者率
項目 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
ストレスチェック受検率 | 85.2% | 93.6% | 96.0% |
高ストレス者率 | 13.3% | 10.1% | 9.2% |
別添資料2: 年間労働災害発生件数・安全衛生委員会回数
項目 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
年間労働災害発生件数 | 14件 | 2件 | 10件 |
安全衛生委員会回数 | 12回 | 12回 | 12回 |
別添資料3: 年間労働災害発生件数の推移グラフ
※2020年·2021年は新型コロナウイルス感染拡大の
影響による特殊環境での実績となります。
別添資料4: 労働安全や従業員のヘルスリテラシー向上のための社員教育・イベントの実施
テーマ | 実施内容 | 対象者 | 参加者数 |
---|---|---|---|
ベジチェックイベント | 機械に手のひらを当てるだけで、野菜摂取レベルを推定するイベント | 全社員 | 210名 |
歩FESウォーキングイベント | 「MY HEALTH WEB」のスマートフォンアプリを利用したウォーキング大会(2024春) | 全社員 | 429名 |
血管測定イベント | 人差し指を機械に入れて、指先の脈波の形を数値化して血管年齢を推定するイベント | 全社員 | 164名 |
肺年齢測定イベント | 肺機能を年齢で例えたもので、スパイロメーター機器で調べた数値をもとに算出し、実年齢と比例することで肺の健康状態の目安を知ることができるイベント | 全社員 | 134名 |
食と運動に関するセミナー | 食生活改善、ならびに健康増進の観点から、食と運動の必要性を理解していただくためのセミナー | 全社員 | 118名 |
飲酒セミナー | お酒に関する基本知識や酔いのメカニズム、アルコールパッチテストや飲酒する上での注意点、正しいお酒の飲み方などの理解の促進を図る | 全社員 | 40名 |
全国健管リレーセミナー | ANAグループの各健管の産業医が持ち回りでセミナーを実施(全9回) | 全社員 | 49名 |
女性の健康eラーニング | PMS※1や痛みなど、働く女性と月経や女性特有のがんについて理解の促進を図る | 女性社員 | 340名 |
メンタルヘルス研修 | 心の健康を維持や効果的なストレス対策をとるために必要な知識を学び、メンタルヘルスの保持増進等を図る | 管理職100% 一般職 | 126名 |
新入社員向けセミナー | 新入社員を対象に労働安全衛生·健康経営に関する基本的事項に関する理解の促進を図る | 新入社員 | 83名 |
復職プログラムセミナー | 管理職を対象に復職プログラムの理解と手順に等についてセミナーを実施 | 管理職 | 63名 |
PMS※1 月前症候群とは生理前にあらわれる心や体の不調のことです。
別添資料5: 男女別・年代別における生活習慣病・非生活習慣病割合
別添資料6
BMI適正者比率、喫煙率、メタボリックシンドローム該当率、身体愁訴該当率、アブセンティーズム、プレゼンティーズム、ワークエンゲージメント、傷病による休業者数の推移表
項目 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|
BMI | 低体重 | 15.5% | 15.3% | 16.5% |
適正体重 | 72.1% | 70.6% | 68.3% | |
肥満 | 12.4% | 14.1% | 15.2% | |
BMI適正者比率 (2030目標: 男性 70.0%/女性 70.0%) | 男性 | 64.0% | 65.7% | 64.1% |
女性 | 74.0% | 74.0% | 70.7% | |
喫煙率 (2030目標: 男性 20.0%未満/女性 3.0%未満) | 男性 | 32.7% | 32.4% | 29.2% |
女性 | 2.0% | 2.5% | 2.8% | |
メタボリックシンドローム該当率 (2030目標: 男性 12.0%/女性 1.3%) | 男性 | 16.4% | 14.1% | 15.5% |
女性 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | |
身体愁訴該当率 (2030目標: 男性 20.0%/女性 30.0%) | 男性 | 27.6% | 26.4% | 27.5% |
女性 | 37.6% | 39.2% | 41.3% | |
アブセンティーズム (測定人数/回答率)※1 | 0.7日 (715人/93.6%) | 1.4日 (712人/95.6%) | 3.5日 (736人/89.9%) |
|
プレゼンティーズム (測定人数/回答率)※2 | 75.2% (715人/93.6%) | 75.0% (712人/95.6%) | 75.2% (736人/90.1%) |
|
ワークエンゲージメント (測定人数/回答率)※3 | 3.8点 (796人/100%) | 3.9点 (726人/100%) | 3.9点 (747人/100%) |
|
傷病による休業者人数 ※4 | 26人 | 27人 | 28人 |
※ 1)ストレスチェックアンケートにて、「昨年1年間に、自分の病気で何日休みましたか。(有休·欠勤·休職等すべて含む)」という設問で、平均日数を算出し、アブゼンティーズムを分析。
※ 2)ストレスチェックアンケートにて、「病気やけががない時に発揮できる仕事の出来を100%として過去4週間の自身の仕事を評価してください。」という設問にて、平均の%を算出し、プレゼンティーズムを分析。
※ 3)ANA’s Way Surveyにて、ワークエンゲージメントにかかわる各種設問をスコア化。(5点満点)
※ 4)1か月以上休業している従業員
別添資料7: 健康投資施策の取組状況
項目 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
定期健康診断受診率 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
事後措置応答率 | 58.6% | 75.2% | 98.8% |
定期健康診断後の精密検査受診率 | 15.4% | 42.1% | 45.0% |
運動習慣比率(※ 1回30分以上 週2日以上運動) | 25.2% | 23.7% | 55.1% |
ストレスチェック受検率 | 85.2% | 93.6% | 96.0% |
時間外労働時間実績(年間平均) | 6時間55分 | 8時間06分 | 5時間36分 |
有給休暇取得日数(年間平均) | 11.4日 | 11.8日 | 11.8日 |
離職率 | 10.8% | 8.1% | 7.0% |
健康投資額 | 13,336千円 | 14,352千円 | 15,625千円 |
別添資料8: 健康関連コスト内訳
項目 | 金額 | 比率 |
---|---|---|
プレゼンティーズム | 1,166,522円 | 88.5% |
アブセンティーズム | 44,982円 | 3.4% |
医療費 | 106,121円 | 8.1% |
合計 | 1,317,625円 | 100.0% |
- ストレスチェックアンケート回答者の内、アブセンティーズムとプレゼンティーズムの設問に回答した人(663名)を対象として算出
- プレゼンティーズム = 1,166,522円 [プレゼンティーズム損失割合]×[2023年度の一人当たり年収(給与&賞与)]
- アブセンティーズム = 44,982円 [アブセンティーズム(日数)]×[2023年度の一人当たり日収(年収を366日で割った額)]
- 医療費は2023年度のレセプトデータから算出